大学受験生の2人に1人が利用している『Studyplus』の次なる事業フェーズへ!スタディプラスのVPoEに突撃

大石 弘一郎氏|スタディプラス株式会社 プロダクト部 リーダー/VPoE

SIerで15年ほどBtoB向けのシステム開発を行いながら、個人でiOSアプリ開発も行う。その後、教育系スタートアップにiOSエンジニアとして転職し、2019年にスタディプラスへ参画。クライアントグループのリーダーを経て、現在はプロダクト部 リーダー/VPoEとして開発組織の統括を行いつつ、エンジニア採用責任者も兼務。

スタディプラス株式会社 について

当社は、学習管理プラットフォームを基盤とし、BtoC向けに「Studyplus」というモバイルアプリおよびWebサービスを提供しています。また、塾・予備校・学校向けには「Studyplus for School」というサービスを展開し、これらの開発および運営を行っています。

「Studyplus」は、現在、大学受験生の2人に1人が利用しているサービスであり、多くの学生に活用されています。受験生向けに限らず、大学生や社会人など幅広い層にも様々な用途でご利用いただいています。

「Studyplus for School」は、塾や予備校、学校に提供しているサービスです。Studyplusのユーザーである生徒の学習状況を、学校や塾の先生が「Studyplus for School」というWebアプリケーションを通じて把握し、生徒の目標達成に向けて伴走、アドバイス、フォローを行います。このサービスは、生徒と先生のコミュニケーションを促進し、生徒が目標に向かって学習に集中できるようサポートします。

大石さんのキャリア

小学生の頃、同級生がMSXというパソコンを持っていて、私もそれを買ってもらいました。当時は、パソコンでゲームをして遊ぶか、パソコン雑誌に載っているプログラミングのコードを打ち込んで動くゲームで遊ぶことが多かったです。

覚えている限りでは、小学生から高校生の頃はエンジニアという職業を意識していたわけではありません。ただ単にパソコンに興味があり、パソコンで遊んでいただけでした。

そうですね。進学についてはあまり真剣に考えていませんでしたが、たまたま工業系の電気科に進学しました。そこでは、ポケコンという小さなコンピュータが1人1台与えられるカリキュラムがあり、それを使って手元で遊べるゲームを作ってみようと思ったのがきっかけです。

情報処理系の専門学校に進学しました。少し話しづらいのですが、学生時代はちょうどインターネットが流行り始めた時期でした。インターネットのネットサーフィンやオンラインゲームに夢中になってしまい、学校に行くよりもそれに熱中してしまいました。そのため、就職活動もあまり熱心にはやらず、最初の就職は地元のSIerに何となく就職したというのが最初のキャリアです。

最初の新潟のシステム会社では2年ほどシステム開発やプログラマーの仕事をしていましたが、ずっとゲーム関係の仕事がしたいと思っていました。そのため、新潟の会社を退職し、東京のゲーム制作会社に就職しました。そこではディレクターとしてゲームの企画や制作進行を担当しましたが、激務すぎてリリース前の2〜3ヶ月はずっと残業がとても多い環境で仕事をしていました。

その頃に結婚し、子供も生まれ、その働き方では家庭と仕事の両立が難しいと感じ、もう少し安定して働ける職場を求めて、再びエンジニアとして東京のSIerに転職しました。

3社目は、そのSIerで15年ほど働きました。企業や金融機関向けのシステム開発を担当し、エンジニアとしての開発だけでなく、他のメンバーのマネジメントも行うようになり、プレイングマネージャーとしての経験も積みました。

そうですね。2015年まで在籍していたのですが、その間に個人開発としてiOSやAndroidのスマートフォンアプリの開発を始めました。スマホが日本で普及し始めたのが2009年頃で、その頃から自分でもアプリを開発できるのではないかと思い、自分で勉強してアプリの開発を始めました。これがその後の大きな転機になったと思います。

本業としては、2015年まで働いた3社目のSIerに在籍していましたが、その途中から個人でiOSアプリの開発ができるようになりました。そのSIerでは、業務委託や企業常駐の案件を手掛けていましたが、途中からキャリアチェンジしてiOSアプリのエンジニアとしてサービス事業者の現場でアプリ開発の経験を積みました。

自分で学習したiOSアプリの開発がきっかけでキャリアチェンジできたことが一番印象的でした。当時、日本でもアプリの開発はまだ一般的ではなく、一部の個人が始めていた程度で、大手企業がモバイルアプリの開発を事業として展開することはまだ少なかった時期でした。その中で、自力でアプリを開発してリリースできたことが大きな達成感となりました。

最初に作ったアプリは、荷物の大きさや重さを入力すると、クロネコヤマトや佐川急便、ゆうパックなど、さまざまな配送手段の価格一覧が表示されるというものでした。当時はアプリの数も今ほど多くなかったので、一番ヒットした時にはApp Storeの無料総合ランキングで90位まで行きました。その時はとても嬉しかったですね。

はい、アプリのアイデア出しから試行錯誤しながら全て自分で行いました。当時は本当にちょっとしたアイデアで便利な何かを実現できるアプリを作れば、多くの人がダウンロードして使ってくれる時代だったと思います。そのため、作りやすかったかなと思います。

3社目のSIerに在籍している途中からモバイルアプリのエンジニアにキャリアチェンジしました。その後、SIerではクライアント向けのサービスやアプリを開発していましたが、自社のサービスアプリの開発に関わりたいと思い、教育系の会社に転職しました。4社目からは、世の中の役に立つ事業やサービスに関わりたいという気持ちが強まり、教育分野を選びました。

その一つ前の教育系の会社では約2年間勤務し、その後スタディプラスに入社しました。スタディプラスに入社した理由は、社会に貢献したいという気持ちが変わっていなかったこと、そしていろいろな会社の話を聞く中で、エンジニア組織やサービス開発に関して魅力的且つ働きやすさも感じたことがきっかけです。

スタディプラス株式会社 入社

入社後、最初は私自身がiOSアプリの開発エンジニアとして、StudyplusのiOSアプリの開発を主に担当していました。その後、元々はiOS開発チームとAndroid開発チームが別々だったのですが、モバイルアプリのチームとして一つにまとめ、iOSの開発もAndroidの開発もチーム内で連携しながら進める方が良いのではないかという話になり、そのように体制を変更しました。

その際、他にリーダー職を希望する人がいなかったこともあり、過去にリーダー経験のある私がモバイルチームのリーダーを務めることになりました。その後もリーダーを継続して務めています。

当時エンジニアの採用は継続的に行われていましたが、採用方針や進め方について経営層との連携がうまくいっていないという課題がありました。そこで、エンジニア採用の責任者を立てて、経営層とのコミュニケーションやエンジニアメンバー間での調整をしながら採用を推進する必要がありました。その役割をお願いされたので、引き受けてエンジニア採用の責任者として活動も開始しました。

当時は採用を進めるにあたって様々な課題がありましたので、それを整理したり、採用に関わる人に協力をお願いしたりしました。今までできていなかった部分を一つ一つ解決していったという印象です。もちろん自分自身としても初めての経験でしたのでそこで学ぶことも多かったですし、今でも伸び代のある部分だと思っています。

様々な窓口から繋がった候補者の方とカジュアル面談させていただくことが多いですが、採用広報としてもいくつかの活動を行っており、テックブログやPodcast、カンファレンスとOSSのスポンサーなどを有志のメンバーで活動しています。当社にご興味持たれた方はぜひチェックしてほしいです。

現在の業務内容は、まずエンジニア採用が3割です。次に私は二つのチームのリーダーを兼任しているので、チーム内のメンバーとの1on1や目標設定、評価などのマネジメントが5割を占めています。残りの2割は、開発計画や予算管理、組織全体のマネジメントなど、チームに限らない業務に充てています。

当社のサービスは、何かしらの目標に向けて学習を頑張る人をサポートするものだと思っています。Studyplusというサービスには、ユーザーが設定した目標を達成したときにその達成を共有できる「達成報告」という機能があります。特に受験の合格発表の時期には、この達成報告がたくさん投稿されます。

その達成報告を見られる画面があり、一つ一つの投稿に桜のマークが付いていて、「○○さんが△△大学に合格しました」という情報が表示されます。それがたくさん投稿されると、自分たちの開発したサービスが多くの人々の役に立っていることを実感でき、それが自分たちの業務のやりがいにも繋がる魅力だと感じています。

Studyplus fot SchoolはStudyplusとセットで塾や予備校などの教育機関に導入いただいているバーティカルSaaSです。導入して活用いただくことで、塾予備校や学校の先生と生徒間のコミュニケーションの質を高め、量を増やします。生徒にはより学習のモチベーションや模試の成績が向上、塾予備校や学校には生徒の満足度向上や退塾率の低下などの価値提供が実現できるサービスです。

現在のエンジニア組織について

エンジニアの人数は、正社員が18名、業務委託が4-5名、内定者インターンが3名という構成になっています。チーム構成としては資料にある通りですが、サーバーサイドグループとクライアントグループの二つのグループがStudyplusの開発を主に担当しています。WebアプリケーショングループではStudyplus for Schoolの開発を担当しています。その他、SREグループが当社のインフラの運用や管理を担当しており、QAユニットではQAエンジニアが当社のサービスの品質保証を担当しています。

2023年から新卒エンジニアの採用を始めました。中途採用も並行して行っていますが、若いメンバーを加えつつ、ベテラン層もいて若いメンバーをしっかりフォローできるエンジニア組織を作っていきたいと考えています。内定者インターンは研修を受けたり、既にチームに参加してサービスの開発に携わったりしています。内定者インターンの時点で研修を受けて業務に慣れてもらうようにしています。

はい、おっしゃる通りです。最近の新卒の人たちの中には、Studyplusを使っていたという方が多いです。特に大学受験で使っていた方が多く、大学受験をしっかりやっていた方々ほど利用していました。

そのような背景を持つ方々が、当社のサービスに強い思い入れを持ち、サービスをさらに良くしたいという意欲を持って入社してくれることがあります。新卒採用においても、エンジニアとしてのポテンシャルが高く、学習意欲の高い人材を採用しやすいと感じています。

いくつかのチームに分かれている開発組織ですが、チームを横断するような課題に対してアプローチするために、チームリーダーたちと連携して進めています。具体的には、開発プロセスの改善やエンジニア組織のカルチャーを改めて定義すること、エンジニアの評価制度やキャリアラダーのアップデートなどがあります。

これらの課題に対して、すべてを一度に解決することは難しいですが、他のメンバーの協力を得ながら、できるところから取り組んでいます。

開発組織の良い点としては、所属しているメンバーが誰でも意見を出すことができ、それを他のメンバーがちゃんと受け入れてくれることです。意見を出し合い、意見交換をしながら、お互いにとって一番良いゴールを目指していける関係性が築けていると思います。

さらに、各メンバーが「こういうことをやったらどうか」と意見を上げてくれるだけでなく、自分の判断でできることは勝手にやってしまっても問題ないという文化があります。個人の判断で改善を進め、それが他の人から感謝されることで、良いサイクルが回せるような組織になっています。

エンジニアがよりユーザーの解像度を上げてサービスの開発を行えるようになることです。当社はBtoC、BtoB両方のサービスがあり、それぞれユーザーがどのようにサービスを使っているのかや、どのようなニーズがあるのかを知る方法がいくつかあります。この辺りはプロダクトオーナーを中心に進めてもらっているのですが、エンジニアとしてもユーザーにしっかり価値を届けられていることの実感を得ながら開発できる組織にしていきたいと思っています。

今後の目標

当社の現在の事業フェーズとしては、短期的な売上よりも中期的なサービスの開発を見据えた開発計画を立てて進めることができるフェーズに来ています。当社のサービスがユーザーにとってどこに価値があるのか、より価値を提供するためには何をどう改善すれば良いのかを、プロダクトオーナーやディレクターだけでなく、エンジニアも一緒に考えながら、より良いサービスを作っていくことが目標です。

まずは、そのための開発体制をしっかりと作ることが目標だと考えています。

特にこの方という限定的なタイプではないのですが、インベンターのような方が現状では最も求めている方だと思います。反対に合わない層は特にありません。

まずは、当社の事業に共感してもらいつつ、一緒に価値のあるサービスを開発していける方です。サービスのことをよく考え、当社のサービスが好きで、良くしていこうという気持ちを持っていることを重視しています。そして、技術にもある興味を持っていて、そのバランスが取れている方が当社にマッチすると思います。