生成AIの進化によって、ソフトウェア開発は大きな転換点を迎えている。
一方で、技術を導入するだけでは現場に定着せず、活かしきれないケースも少なくない。
LEAN BODYは、生成AIを「一部のエンジニアの武器」に留めず、開発組織全体の生産性と学習速度を引き上げる基盤として実装してきた。
AIを前提とした開発プロセスと、学び続ける組織づくりを両立している。
Cuvalでは、同社CTOのガルシア ユウジ氏に、キャリアの原点から生成AI時代の開発組織のあり方までを聞いた。
ガルシア ユウジ 氏|株式会社LEAN BODY CTO
1994年生まれ。東京都市大学大学院修了。リンクバルでのWebアプリ開発を経てLEAN BODYに参画。新機能開発とリファクタリングを主導し、エンジニアマネージャー、PdMを経てCTOに就任。 現在はエンジニア組織のマネジメントを担い、生成AIを活用した開発プロセスと学び続ける組織づくりを推進している。
株式会社LEAN BODY

事業内容について
── 御社の事業内容から伺ってもよろしいでしょうか。
はい。もともとはオンラインフィットネスの動画配信サービスからスタートしました。現在は、運動に加えて、食事管理や体重管理、消費カロリーの管理などにも領域を広げています。そのほか、運動習慣を支える仕組みやコーチングも提供しています。
LEAN BODYとして目指しているのは、「ウェルネスを継続的にサポートすること」で、その点にフォーカスして事業を展開しています。
キャリアの原点──幼少期から学生時代まで

── 続いて、キャリアについて幼少期から振り返って伺いたいと思います。
今IT企業で働いている自分の原点を振り返ると、やはり「インターネットがすごく好きだった」という点が一番大きいですね。
僕は1994年生まれで、小学5年生、10歳くらいの2004年頃には、インターネットにつながる携帯電話を持っていました。今のスマートフォンではなく、ガラケーの時代です。
その携帯でネットサーフィンをしていたのですが、それがとにかく衝撃的でした。
インターネットがなかった時代は、出会える人も学校や習い事など、限られたコミュニティの中だけだったと思います。それが、国や場所、時間を超えて人とつながれる。その感覚がとても魅力的でした。
友達の家のパソコンを使って検索したり、ネットゲームをしたり、ブラウザのサイトを一緒に見たり、とにかく「インターネットで遊ぶ」ことが圧倒的に好きでしたね。
中学・高校時代とインターネットとの関わり
── 中学・高校時代はいかがでしたか。
受験をして高校に入学し、部活はテニスをやっていました。
一方で、高校生の15〜18歳くらいはSNSが流行り始めた時期で、特にmixiが全盛期でした。
かなり使い込んでいて、高校の友達用とインターネット上だけのアカウントを使い分けていました。今でこそ複数アカウントは当たり前ですが、当時は珍しくて、周囲からは少し引かれていましたね。バレないようにしていましたが、うっすらバレていたと思います。
── その頃から、情報系やパソコンへの興味はあったのでしょうか。
実はその時点では、まだ本格的には触れていませんでした。パソコンを初めて手に入れたのは大学1年生です。ただ、高校生の頃からスマートフォンが普及し始めていたので、PC用のサイトもスマートフォンで見ていました。
進路選択と大学での学び
── 進路選択についても伺いたいです。高校時代は、どのように進学先を決められたのでしょうか。
高校3年生の受験期に、「何を学ぶか」を真剣に考えるタイミングがありました。
お世話になっていた塾の先生が、数学の授業を一度止めて、「自分が本当に興味のある学科を決めよう」という時間を作ってくれたんです。
学科が一覧になった事典のようなものを一ページずつ見ていく中で、文学系は自分には向いていないと感じ、理系に絞って検討しました。その中で強く惹かれたのが「人間工学」という分野でした。学問でいうと、ヒューマン・コンピュータ・インタラクションの領域ですね。
人間工学の研究室がある大学を偏差値順に見ていき、現実的に合格できそうなラインを見極めて進学先を決めました。結果として、自分の努力で納得できる大学に入学できたと思っています。
── 実際に大学に入られてからはいかがでしたか。
人間工学の研究室に所属したのは大学4年生からでしたが、当時の大学では、その上位概念として「経営工学」という学問がありました。
工学をベースにしながら経営も学ぶ学問で、その中に人間工学の研究室が位置づけられていたんです。なので、入学後はまず経営工学を学んでいました。
麻雀とインターン経験
── 学生時代に、麻雀やベンチャー企業でのインターン経験があったと伺いました。そのあたりも教えてください。
麻雀は高校生の頃、PSPのゲームで始めました。16歳くらいですね。
最初は一人で遊んでいましたが、学校で麻雀をやっていたら、周囲の麻雀好きな人たちに声をかけてもらい、一緒に遊ぶようになりました。
本格的に取り組むようになったのは、ここ2〜3年です。それまでは10年ほど雰囲気で続けていましたが、麻雀AIが強くなってきたことで、AIを使って勉強するようになりました。
対局後に評価をもらい、「なぜここが悪かったのか」を考えて修正していく。そのプロセス自体がとても面白いんです。
勝ちたいというよりは、勉強が好きという感覚ですね。大会の一発勝負よりも、インターネット上で不特定多数とポイントを削り合う環境が好きで、ここでもやはり「インターネット」という要素が大きいと思っています。
── インターンのご経験はいかがでしたか。
大学院に進学してから、2社でインターンを経験しました。
1社目はIT系の自社プロダクトを持つベンチャー企業で、未経験からプログラミングを学ばせてもらいました。研究室の先輩がいたこともあり、スムーズに入ることができましたね。
2社目は動画プラットフォームを提供している企業で、当時は日本語ネイティブの社員が少なく、社内公用語は中国語でした。中国語はできなかったので翻訳しながら仕事をしていましたが、大変な分、とても刺激的で面白い経験でした。
軽い気持ちで応募したインターンでしたが、結果的に強く印象に残る経験になっています。
新卒入社──リンクバルでの経験
── 大学院修了後、1社目としてリンクバルに入社されていますが、どのような背景があったのでしょうか。
正直なところ、「採用されたから入った」という側面も大きいです。ただ、将来的にはベンチャーで働きたいという気持ちはずっと持っていました。
一方で、上場企業の雰囲気は新卒のタイミングでしか経験できないだろうとも思っていて、「新卒カードを使うなら一度は上場企業に入ってみよう」と考えました。
リンクバルはマッチングアプリを開発していて、2019年頃は時代とも合って勢いがあり、勉強になる環境だと感じて入社を決めました。
── 実際に入社してからは、どのような業務をされていたのでしょうか。
エンジニアとして開発業務に携わっていました。
自分の中で重視していたのは、「できるだけ早く実務でコードを書ける環境に身を置くこと」です。
新卒研修が長い環境よりも、即戦力として現場に入れることを優先したかったからです。その結果、3月頃からインターンとして業務に入り、4月の入社初日からフルタイムでコードを書き、新機能開発にアサインされていました。
── マッチングアプリの開発は、Vue.jsとRuby on Railsを使われていたそうですね。
はい、最初からVue.jsとRailsで開発していました。
インターン先でもRailsを使っていたので、その経験を活かせるという理由でアサインされた面もあったと思います。
チームは、街コン事業を運営する大きなチームと、マッチングアプリを担当する小さなチームに分かれていました。
マッチングアプリ側はエンジニアが3〜4名ほどで、全体でも5名に満たない規模でした。今のLEAN BODYとかなり近い体制だったと思います。
影響を受けた出会いとマネジメントへの意識
── これまでで、印象に残っている出会いや出来事はありますか。
大きく二つあります。
一つは、最初にインターンとして働いていた会社のCTOの方。もう一つは、リンクバルで直属の上司だったエンジニアマネージャーの方です。
この二人が持っていた「エンジニアマネージャー像」や「組織づくりの考え方」は、今の自分の中に強く残っています。現在の組織づくりにも、そのエッセンスを引き継いでいる感覚がありますね。
── もともと、組織づくりやマネジメントへの関心はあったのでしょうか。
学生時代に所属していたアカペラサークルの経験が大きいと思います。
4年間活動して、最後の2〜3年目には、サークルで一番大きなイベントのプロデューサーを務めました。
トップに立って役割を割り振り、全体を動かしていくのが純粋に楽しかったんです。そのときに、「こういう動きは向いているな」という感覚はありました。
ただ、「マネージャーになりたい」というよりは、「自分がどう動けば、会社や組織が一番うまく回るか」を考えていた感覚に近いですね。会社に貢献したいという気持ちの延長線上に、結果としてマネジメントがあったのだと思います。
LEAN BODY入社のきっかけ

── 実際に、LEAN BODYに入社しようと思ったきっかけを伺ってもよろしいですか。
1社目で上場企業を経験したので、次は必ずベンチャーに行こうと決めていました。ちょうど2年ぶりにベンチャーで働けるな、と思いながら転職先を探していたんです。
当時、Goで開発できる環境には魅力を感じました。加えて、学生時代からジムに通っていて、ランニングが好きだったことも大きいですね。筋トレはそこまでしていませんでしたが、汗をかくことでストレスが抜けたり、運動すると睡眠の質が上がったりと、フィットネスの良さは体感として持っていました。
そうした背景もあってフィットネス領域にはもともと関心があり、結果的にベンチャーの中で最初に内定をもらったLEAN BODYへの入社を決めました。
── 経営陣に対する印象はいかがでしたか。
入社当時は、経営陣とはほとんど話していませんでした。メンバーとして入社し、日々の仕事を通じて信頼関係を積み上げた結果、今があるという感覚です。
当時印象に残っているのは、入社時に在籍していたエンジニアマネージャーの方ですね。とても優秀で、「この人と一緒なら大丈夫だ」と思えたのは大きかったです。
入社後に取り組んだこと──新機能開発とリファクタリング
── 入社後は、どのようなことに取り組まれたのでしょうか。
入社後すぐに、新機能開発を中心としたプロダクト開発に入りました。
同時に、「コードを綺麗にしたい」という気持ちが強くありました。前職のリンクバルで、Webアプリケーションに詳しい上司から設計や書き方を学んでいたこともあり、開発を進めながら空き時間を作ってリファクタリングを続けていました。
特別に依頼されたわけではありませんが、やるべき仕事を終えたうえで改善にも取り組む、というスタンスです。その結果、新しく入った人が早く活躍しやすいコードベースになっていると思います。新メンバーが馴染むまでの時間は、エンジニアマネージャーに近い責任だと考えています。
── 振り返ってみて、大変だったことや良かったことはありますか。
大変だったのは、初めての転職で、相談の粒度やタイミングがまだ掴めていなかったことです。当時は組織としても未成熟で、全体的にバタついていた印象があります。オフィスもマンション時代で、今と比べると環境面での制約もありました。
良かったのは、リファクタリングをしっかりやれたことですね。
もう一つ大きかったのは、Go言語を学べたことです。入社当初はRailsが好きで、「Railsの方がいいのでは」と思うこともありました。ただ、短期的な開発速度はRailsが優れている一方で、中長期的な開発速度に関してはGoの方が優れていると感じます。Goはコード規約の整備のしやすさ、ライブラリの後方互換性、OSSの可読性、コンテナとの相性など、中長期的な戦略で圧倒的にメリットが多いです。
Goを通じてRailsのフレームワークが裏でやってくれていたことを一つずつ理解できたのは、大きな学びでした。ブラックボックスにしないという姿勢は、自分の中でとても大事にしています。今後、新規開発をするなら、Goを選ぶと思いますね。
メンバーからCTOへ──役割の変遷が自然に広がっていく
── LEAN BODYでのキャリアの変遷についても伺いたいです。メンバーとして入社され、EM、PdMを経て、現在はCTOという流れですが、どのような経緯でロールが変わっていったのでしょうか。
一番大きなきっかけは、当時在籍していたエンジニアマネージャーの方が退職されたことですね。そのタイミングで、その役割を引き継ぐ形になりました。
その後、PdMの入れ替わりもあり、一時期は僕自身がPdMとしてプロダクト側を回す役割も担っていました。
仕様を考え、どう運営していくか、どう回していくかといった部分を含めて、プロダクト全体を見るポジションです。
しばらくして組織が安定し、コンテンツ制作なども一段落したタイミングで、取締役の鞍立がPdMとしてチームに入ってきました。
そこからは、僕自身は再びエンジニアマネージャー寄りの役割にシフトしつつ、「CTO」というポジションをより明確に定義していった、という流れです。
結果として、必要に応じて役割を引き受けながら、組織のフェーズに合わせて自然と今のポジションに落ち着いた、という感覚に近いですね。
現在の業務内容と役割
── 現在の業務内容についても教えていただけますか。
一番大きな軸は、エンジニア全体のマネジメントです。
プロダクト開発を進める中でのエンジニアマネジメントとPjMが、今の中心的な役割ですね。
自分でコードを書くこともありますが、基本はレビューや設計に関わったり、困っているところをサポートしたりと、マネージャーとしての立ち位置がベースです。直近では育休に入ったエンジニアがいたので、その期間は戦力としてコードを書く場面もありましたが、通常はマネジメントとプロダクト戦略、採用にしっかり関わっています。
また、CTOとして中長期的に会社の生産性をどう高めるかは常に考えています。最近では、生成AIを使ったコード生成をチーム全体に展開し、エンジニア全体に普及させることができました。
── 経営陣との連携は、どれくらいの頻度で行われているのでしょうか。
かなり密ですね。経営会議は大きく3段階ありますが、取締役のみのボード会議を除き、KPI会議や戦略会議には毎回参加しています。
開発に関わる話はその場で常にすり合わせますし、採用計画にも深く関わっています。基本的には、経営陣とは常にコミュニケーションを取っている状態です。
事業としての魅力と社会的意義
── 改めて、事業の魅力についても伺えますか。
ウェルネスという分野は、日本でもっと定着していくべきだと考えています。
内面的な価値を継続的に提供できる点が大きいですね。
睡眠や食事も含めて、生きていることそのものがウェルネスがサポートできる分野だと思っています。そう考えると、需要がなくなる分野ではありませんし、事業としての持続性にも不安は感じていません。
これから日本は高齢化が進み、「健康寿命」を延ばすことがより重要になります。僕らは、その健康寿命を延ばすサービスを作っているという意味で、社会課題に向き合っている立場だと思っています。
「人類にとってプラスになることをしているプロダクトを作っている」という実感を持てるのは、大きなやりがいですね。
LEAN BODYという会社の魅力とAIへの取り組み
── LEAN BODYという会社そのものの魅力についてはいかがでしょうか。
会社として、これから挑戦したい領域はまだまだ多くあります。
短期のフィットネス領域では継続をできる仕組みの開発に力を入れており、中長期のウェルネス領域では、睡眠や食事管理、レシピなどにも広げていきたいと考えています。
また、AIへの取り組みが非常に強い会社です。今年は生成AIを活用したRAGの仕組みを実装し、レコメンドエンジンを自分たちで開発しました。すでに新機能としてもリリースされています。
僕自身、大学院時代に人工知能の研究をしていた背景もあり、社内では生成AIの仕組みや使い方について勉強会も開いています。代表もAI活用に前向きで、実際に使える段階まで来ている。この環境で働けているのは、大きな魅力だと思います。
現在の組織体制とプロダクトチーム
── 改めて、現在の組織体制や人数、役割について伺えればと思います。特にプロダクトチームを中心に教えてください。
エンジニアは4〜5名で、エンジニアマネージャーは僕が務めています。ほかに、プロダクトマネージャー、UI/UXデザイナー、カスタマーサポートやディレクションを担当するメンバーが5〜6名いる体制です。
エンジニアはそれぞれ得意分野があり、iOS、GoでのAPI開発、Webなどバックグラウンドはさまざまですが、全体としてはフルスタックに育てていく方針を取っています。実際、今は全員がGoを書ける状態になっています。
得意領域は活かしつつも、APIやWebといった特定の領域に閉じない体制ですね。生成AIを使った開発が進んだことで、学習やキャッチアップの時間が大きく短縮され、任せやすくなったと感じています。
── こうした体制は、ガルシアさんご自身で決められたのでしょうか。
そうですね。少数精鋭という採用方針を活かしつつ、あくまで「良いエンジニアを採用して育てる」という考え方がベースです。
Goの経験は特に求めておらず、「学ぶ姿勢があるか」を重視しています。僕自身も未経験から学んできたので、その文化を引き継いでいる形ですね。
フルスタックで手数を広げることで生産性はかなり高まりますし、バックエンドとフロントエンドの両方が分かると、コミュニケーションも圧倒的にスムーズになります。
組織として注力していること──生成AIの活用
── 今、組織として特に取り組んでいることは、生成AIの活用でしょうか。
そうですね。プロダクト開発とビジネス施策のバランスを取りながら、生成AIの活用には全体として強く取り組んでいます。
導入はこの1〜2年ですが、かなり良いタイミングで波に乗れている感覚があります。経営陣が日常的にAIを使っているので、その姿勢が自然と組織全体に広がりました。
今では、AIを使わずに仕事をしている人はいないですね。ほぼ100%の普及率で、プロダクトにも活かせています。規模感を考えると、かなり高いレベルにあると思います。
社内にはAIに関する情報を共有するSlackチャンネルもあり、経営陣と僕を中心に、外部の知見も含めて常に情報を共有しています。
組織の強み──学びを共有する文化
── 組織の良いところと、改善できる点についても伺えますか。
良いところは、学びを共有する文化ですね。月に1回、社内でLT会を開いて、エンジニアリングで学んだことを共有しています。コミュニケーションの活性化にもなりますし、技術の横展開にもつながっています。
人数が増えてくると個々の強みが見えづらくなりがちですが、それを防ぎたいという意図もあります。採用時にも「勉強が好き」「成長したい」という姿勢を重視していて、LT会があることも事前に伝えています。最近は生成AIやCodexの使い方などをテーマにLTをしました。
外部発信と違って、社内であれば多少ラフでも気軽に話せる。その“気軽さ”が、学びの循環を生んでいると思っています。
── 一方で、課題に感じている点はありますか。
生成AIを使った開発の精度を、もう一段階引き上げたいですね。エージェントへの指示や設定をさらに整備して、爆発的な生産性向上につなげたいと考えています。文化としてはここ数ヶ月でかなり定着しましたが、完成度はまだ8割くらい。
今後の展望──開発組織としての目標
── 今後の目標について、事業として、そして開発組織としてのお話を伺えればと思います。
今は定期的に座談会のような場を設けて、近くに住んでいるユーザーさんに来ていただき、直接お話しする機会を作っています。1〜2ヶ月に1回くらいですね。
希望者ですが、開発メンバーも参加することがありますし、オンラインでエンジニアが直接インタビューを行うこともあります。
toCプロダクトの価値って、簡単に言語化できないことが多いと思っています。「これが課題です」と一言で言えない楽しさや習慣がある。実際に会って話すと、「こういう楽しみ方をしてくれている人が、こんなにもいるんだ」という気づきがたくさんある。だからこそ、ユーザーと直接向き合うことは、とても大事だと感じています。
今後の目標──「当たり前」に使われるプロダクトへ
── 最後に、今後の目標について教えてください。
開発組織としての中長期的な目標でいうと、生成AIの活用は今後さらに重要になると考えています。すでに新規で上がるPRのうち、8割以上がCodexによって書かれ、本人が微調整するだけ、という状態を目指せる体制が整いつつあります。生産性は確実に上がっていますね。
ただ、これはエンジニアの実装だけの話ではありません。レビューへの活用や、デザイナー向けの生成AI活用など、まだ広げられる余地は多くあります。
今後は、エンジニアがデザインまで踏み込んだり、逆にデザイナーが軽微な修正をPRとして投げたりと、職種の境界がよりなだらかになる働き方を実現していきたいです。
また、データ分析も重要なテーマです。すでにPMが生成AIを使って分析やダッシュボード作成を進めています。データエンジニアのリソースが限られているからこそ、生成AIを通じて、より多くのメンバーがデータ分析を担える状態を作っていきたいと思っています。
短期ではプロダクト改善にしっかり向き合いながら、中長期では生成AIの活用をさらに深化させていく。それが、今描いている開発組織としての方向性です。
一緒に働きたい人物像
── 最後に、どのような方と一緒に働きたいか、総括として伺えますか。
一番重視しているのは、「成長したい」「学びたい」という姿勢です。正直、求める水準は高いので、この意欲がないとついていくのは難しいと思います。
新しいことを楽しめるかどうかも大切ですね。Go言語は必ず学ぶことになりますし、新しい技術を前向きに吸収できる人であってほしいです。
LEAN BODYはコミュニケーションも大事にしています。毎朝の朝会や週1回のプロダクト定例、出社時の雑談など、日常的に会話する機会は多く、Slackでも常にやり取りしています。
その中で僕が特に大切にしているのが「質問する姿勢」です。自分だけで抱え込まず、デザイナーや他のエンジニアにきちんと聞きに行く。その文化は、今しっかり根付いていると思います。
成長意欲があり、新しいことを楽しめて、チームでのコミュニケーションを大切にできる方と、一緒に働きたいですね。
── 今、特に必要としているポジションはありますか。
WebエンジニアまたはiOSエンジニアです。現時点でフルスタックである必要はありません。自分の中で、「これ!」と言える得意分野が一つあれば十分です。そこを任せながら、自分の幅を広げていけます。
iOS、フロントエンド、API開発など、Web領域のいずれかに強みがある方を求めています。Webアプリケーション全体への理解がある方であれば、ぜひ一緒にやりたいですね。



