生成AIの進化により、企業の業務は大きな転換点を迎えている。
一方で、導入しただけでは現場に定着せず、改善につながらないケースも多い。
テックタッチはDAP(デジタルアダプションプラットフォーム)「テックタッチ」を祖業として「使いこなせる状態」を前提に、AIを業務の中心へ組み込むプロダクトづくりに挑んできた。本記事では、事業部CTO・伊藤宏樹氏に、AI時代でもDAPが価値を出し続けるための設計思想と、組織の現在地を聞いた。
伊藤 宏樹 氏|テックタッチ株式会社 事業部CTO
北海道大学大学院理学研究科数学専攻卒。エンタープライズのミッションクリティカル領域で開発・運用・組織づくりを担う。SIerでの大企業向け開発を経て、独立系ソフトウェア企業に約10年間在籍し、証券市場データ配信基盤などに携わる。
2019年にテックタッチへ参画。エンタープライズ導入案件のリード、EM、SRE立ち上げなどを経て、現在はDAP領域およびデータ・AIプロダクトを統括。「AI時代でも価値を出し続けるDAP」の実装に取り組む。
テックタッチ株式会社

事業内容|「すべてのユーザーがシステムを使いこなせる世界に」を目指して
── 御社の事業内容から伺ってもよろしいでしょうか。
テックタッチは「すべてのユーザーがシステムを使いこなせる世界に」をミッションに、2018年の創業以来一貫して取り組んできました。特定業界に特化せず、ホリゾンタルに幅広い業界で使われている点が特徴です。
システムを「使える」ではなく「使いこなせる」状態にすることで、現場の業務負荷を下げ、生産性を高めていく。そこがメインプロダクトの価値だと考えています。
現在、MAUは約900万人(自社調べ)。DAPという領域自体はニッチですが、5年連続国内シェアNo.1を獲得しています。
加えて、新規事業も重要な柱です。ひとつが2025年4月に発表した「AI Central Voice(データ戦略AIエージェント)」で、顧客の声やアンケート、営業日報等のテキストデータを分析可能な状態に構造化し、アクションにつながる示唆出しまで行うAI分析プラットフォームです。既存事業に加えて新しい価値提供を進めています。
キャリアの原点|内向的な思考と「任される」経験が形づくった学生時代

── まず、小学校時代から高校時代まで、どんなお子さん・学生だったのか教えてください。
小学校時代は、どちらかというと内向的で、まず自分の中で考えてから動くタイプでした。勢いで前に出るというより、納得したことを淡々とやる。
もうひとつは「任されたらやる」タイプだったことです。自分から積極的に手を挙げるわけではないですが、任されると責任を持ってやる。中学生の頃は生徒会の副会長も務めました。
この感覚は今も変わりません。今のロールでも「本当に価値を出せているのか」と自問しながら、どうすれば価値を出せるかを考え続けています。
── それは学生時代から一貫している感覚なんですね。
そうですね。思考の起点は内側にあって、そこから外へ広げていく感覚です。選択肢が現れたときに「自分に何ができるだろう」と考えること自体が挑戦でした。不安と成功イメージのバランスを取るのは難しく、その繰り返しだったと思います。
高校時代は通学距離が遠く部活はせず、普通に遊んでいました。ギターを持ってバンドを組んでいた時期も2年ほどあります。
進学の選択|バイオから数学へ、大きく舵を切った転機
── そこから、どのような進学先を考えられたのでしょうか。
1990年代前半はバイオテクノロジーが注目されていて、生物が好きだったこともあり理学部・農学部を考えていました。北海道大学の農学部を目指しましたが、一度浪人することになります。
浪人中に数学へ強く惹かれました。「大学への数学」という雑誌の学力コンテストがきっかけで、数学好きが集まる世界に触れ、思考が一気に数学寄りになったんです。
北大農学部に進学後も「少し違うかも」と感じ、理学系へ軸足を移しました。環境理工学などを経て純粋数学へ進み、大学院では幾何学を研究していました。振り返ると、やりたいと思った方向へ素直に進むタイプだったと思います。
研究内容と技術への接点|数学と計算機がつないだその後のキャリア
── 研究内容についても教えていただけますか。
大学院では、三次元球面(四次元空間の球)に描ける曲線の分類を研究していました。特異点の性質をもとに分類する、純粋数学的なテーマです。今のキャリアにつながるのは、大学時代の数値解析の経験です。研究室に並ぶ計算機で自然現象のシミュレーションをしたり、ネットワーク管理を任されたりしていました。計算機に触れながら遊ぶような環境が、その後につながっていると感じます。
── 当時から、エンジニアリングの道を意識されていたのでしょうか。
いえ、まったく意識していませんでした。博士課程や教員、クオンツ・アクチュアリーなども選択肢でしたが、大学に残る道は違うと感じましたし、金融もしっくりこなかった。
その中で、数値計算やネットワーク管理の経験から「システムエンジニアはありかもしれない」と思うようになります。北海道に本社を置くIBM系SIerと縁があり、新卒で入社。東京の事業所に配属され、エンジニアとしてのキャリアが始まりました。
大手SIerで学んだ「大企業のシステム導入」と違和感
── 新卒で入社されて、実際はいかがでしたか?
それまで向き合ったことのない世界で刺激的でした。入社研修では泊まり込みで提案資料を作るプログラムもあり、きつさはありつつも学びは多かったです。
配属後は保険業界のお客様を担当し、「大企業でシステム導入がどう進むか」を実務で学びました。これは今でも確実につながっています。
一方で最後の1年ほどは、お客様が大阪で、週の前半に大阪へ行き週末に東京へ戻る生活が続きました。東京で開発できる体制に持っていく狙いでしたが思うように進まず、走り続ける感覚でした。
その中で「SIとは何だろう?」という違和感が強くなりました。技術が好きでエンジニアをやっていたので、調整や管理が主になる働き方が少しずつずれていったんです。
ミッションクリティカルで高品質を求められる開発経験は大きなプラスでしたが、当時は「ここで我慢して伸びるより、別の環境で挑戦したい」と考え退職を決めました。1社目は5年在籍し、特に最後の1年が転機でした。
10名規模の会社へ。「自分でつくり、責任を持つ」環境を求めて
── その後、10名程度の会社に入られたと伺いました。どんな経緯だったのでしょうか。
1社目はIBMミドルウェアを使ったシステムインテグレーションが中心でした。何でもできる一方で、プロダクト自体は米国で開発されたものを日本で使う構造でもあります。
そこで「なぜここまで苦労して開発し続けるのか」「自分たちでつくり、責任を持って改善できる状態の方がいいのでは」というもどかしさを感じていました。バランスを取り続ける状況が、当時はつらかったんだと思います。
2社目で求めていたのは、少し青いですが「自分が開発して、もっと良くしたいと本気で思える環境」でした。
2社目で取り組んだこと|市場データ配信を支えるインフラづくり
── 2社目では、具体的にどのようなことをされていたのですか?
証券市場の売買情報を外部に配信する仕組みと、エンドユーザーが見られるためのインフラづくりです。東証と大証が統合前で、それぞれと接続し、取得した情報を加工・配信していました。証券会社の取引アプリで板情報を見ると思いますが、あれに近いイメージです。
── 入社の決め手は何だったのでしょうか。
大手での調整に疲れていた反動で、小さな会社への憧れがありました。加えて、代表がエンジニア出身だったことも大きいです。DECでOS開発に携わっていた方で「エンジニアが活躍できる会社をつくりたい」と語っていた。その言葉に惹かれ、結果として約10年在籍することになります。
印象に残る経験|少人数組織での挑戦と、特許・基礎理論の学び
── キャリアの中で、特に印象に残っている出来事はありますか?
やはり2社目です。多くても30人ほどで「自分たちでやるしかない」環境でした。その分、ものづくりでさまざまな挑戦ができました。
小さな会社だからこそ技術的優位性を保つ必要があり、「特許を取る」という方針もありました。最初は半信半疑でしたが、結果的に自分が関わった特許は3件ほどあります。名前が残る形で積み上げられたのは大きな経験でした。
もうひとつは学びの環境です。数学出身で情報系の基礎にコンプレックスがありましたが、代表が学習に理解があり、基礎理論を徹底的に学べました。当時培った土台が今も自分を支えています。
キャリアの転機|AIブーム期の挑戦を経て、テックタッチへ
── ここから、なぜテックタッチに参画されたのか、いきさつを伺ってもよろしいですか?
2社目はイグジットして別会社に買収されましたが、その後の環境に違和感を持つようになりました。「このままエンジニアリング人生を全うするのか?」と考えたとき、しっくりこなかったんです。
自分が大事にしてきた「つくること」「積み上げること」と方向が違うと感じ、転職を決めました。
当時は第三次AIブームでディープラーニングが盛り上がっていて、「次にやるならAIだろう」と考え、AI系プロダクトの企業へ移りました。内容は面白かったものの、上場企業で成果が強く求められ、PoCから事業として前に進める難しさもあり、正直しんどい時期でした。
そんなタイミングでテックタッチの話を聞く機会がありました。プロダクトも面白そうだし、人が独特で、「ここで挑戦するのもありかもしれない」と思ったのがきっかけです。
テックタッチとの出会い|偶然の「いいね」から始まったカジュアル面談
── テックタッチとの出会いは、偶然だったんですか?
はい。採用媒体を眺めていたらたまたま「いいね」が付いていて。「一度話だけ聞きませんか?」と言われたので、「じゃあ話だけ」とふらっと行ったのが始まりでした。
「面白い」と感じた理由|ありそうでなかったDAPと、強烈に個性的な仲間たち
── 面白いと感じたのは、どういう点だったのでしょう?
大きく二つあります。ひとつはプロダクト、もうひとつは人です。
DAPは既存システムの上に“あとから”価値を重ねる発想でした。納品後のマニュアル作成がどれだけ大変かは開発経験があるとよくわかります。システムの上から“マニュアルのようなもの”を後付けできるコンセプトは「絶対便利だ」と直感的に思いました。もうひとつは人です。カジュアル面談で「元CTO四人衆を連れてきた」と言われ、実際に4人出てきたんですが(笑)、全員がとにかく個性的で強く印象に残りました。ここなら刺激的な開発ができそうだし、いろんな体験ができそうだと思えたことが、惹かれた理由です。

入社直後の役割|20名規模の組織で「まずつくる」から始まった
── 入社後、最初はどんなポジションで、どんなことに取り組まれたのでしょうか?
当時は20人規模で、全員が手を動かしてつくらなければいけないフェーズでした。明確なポジションを意識するより、いちエンジニアとして必要なものを幅広く開発していました。
最初に大きく関わったのが、大手損害保険会社様への初期導入プロジェクトです。エンタープライズでは業務に合わせてシステムを構築するために大規模な投資を行うことが一般的な認識でした。そのようなシステムでも「テックタッチ」を利用したいとの声をいただきました。最初に関わったプロジェクトはこのエンタープライズシステムへの「テックタッチ」導入プロジェクトです。
技術的な制約が強い中一般的なWebシステム開発の知識だけでは解決が難しい課題もあり大変でした。しかし、ビジネス的に非常に重要なプロジェクトでありまずはこの案件を成功させることに集中しました。
役割の変遷|エンジニアからマネージャー、そして事業部CTOへ
その後、組織の成長に伴い「マネージャーを置こう」というフェーズが訪れ、声をかけてもらって徐々にマネジメントにシフトしました。SREの立ち上げにも関わりました。
さらに「Techtouch AI Hub(当時の新規取り組み、以下「AI Hub」)」の立ち上げなどが進み、既存DAPと新規領域を同時に見るのが難しくなってきた。そこで「DAP側を見ないか」と声をかけてもらい、現在の事業部CTOにつながっています。
── その時の心境はいかがでしたか?
率直に「できるのか?」でした。マネージャー経験はありましたが、自分が十分に価値を出せているか確信が持てない中での声かけ。嬉しさ2割、不安8割。でも挑戦の機会は多くないので「やってみよう」と思いました。2024年5月頃のことです。
現在の業務|DAPの進化と「データ×AI」への集中投資
── 現在の業務内容についても教えてください。
2024年5月時点ではDAP領域の責任を持つ立場でした。テックタッチは5月が期初で、事業目標は大きく二つあります。
一つ目は、DAPがAI時代でも価値を出し続けられることを、プロダクトとして示すこと。AIが当たり前になる中で、これまでAI機能が多くなかったDAPをAIを含めて進化させています。
もう一つがAI新規領域の立ち上げです。2025年6月頃からClaude CodeやCodexのようなツールが一気に普及し、開発スタイルの「波が変わった」感覚がありました。プロダクトにAIを組み込むだけでなく、開発チーム自体がAIにコミットしていることが伝わる体制が必要だと考えました。
そこで、40名超が一枚岩で開発していた体制を見直し、既存DAPを維持しつつAI機能開発に注力するチームに分割しました。私は現在「データ×AI」チームの責任者です。DAP全体の開発の責任は取締役CTOの日比野が持ち、アプリケーション/インフラは日比野と私で見ています。加えて、運用・セキュリティの専任体制を整え、約900万MAUを支える品質を担保しています。
── コードを書く時間や、マネジメントの比重はいかがですか?
今はプロダクトコードはほとんど書いていません。任せられるところは任せるべきですし、エンジニアは自分でドライブできる状態が一番楽しいと思っています。
成果の責任は持ちますが、任せた領域に細かく口は出さない。その代わり、目線合わせや事業とのアライメント、関係者間の調整にしっかり時間を使うスタンスです。
テックタッチの魅力|顧客価値を「実感」しながら、ビジネスと一体で開発できる
── 改めて、テックタッチの事業の魅力について伺えますか?
一番は、顧客に価値を届けられている実感を持てることです。顧客に寄り添いすぎるとSaaSとしての汎用性が揺らぐ難しさはありますが、テックタッチはユーザーの反応が見えやすい。社内にVOC(Voice of Customer)を共有するチャネルがあり、日常的に声が共有されます。
またビジネス側との距離も近く、相談したいときにすぐ相談できる。エンジニアとビジネスの間に壁ができがちな会社も多い中で、これは大きな違いだと思っています。
DAPは顧客業務のど真ん中に入り込むプロダクトです。ホリゾンタルにエンタープライズへ広げながら多様な要望と向き合い、機能開発していく。このスケール感と勢いで実現できているスタートアップはそう多くないと感じています。
開発組織の全体像|正社員約50名+業務委託で支えるプロダクト開発
── 改めて、開発組織の全体像を教えてください。
会社全体は約200(2025年12月時点)名。そのうち開発メンバーは正社員が約50名で、業務委託が10数名いる体制です。
開発組織はAdoption Platform、Data AI、Security and Reliabilityに分かれています。チームの切り方は事業計画に沿ったもので、いまは再編して走り出した直後、というフェーズですね。
プロダクト企画と開発の進め方|PdMが束ねつつ、AI領域は仮説検証型で進める
── 開発の進め方として、特徴的な点はありますか?
DAP領域はお客様の数も要望も多いため、プロダクトマネジメントチームが中心となってマーケットや顧客の声を整理し、ロードマップを引いています。
一方でAI寄りの開発は、「これまでにない価値をどう実現するか」がテーマです。顧客の声だけで決まるわけではないので、「これは価値が出るのでは」という仮説を、エンジニアも含めて検証しながら進めることを意識しています。
AIの可能性は大きいですが、モデル開発にすべてのリソースを投下しているわけではありません。既存技術をどう活かし、どう設計すれば価値が出るかが重要だと考えています。
「AI Hub」の狙い|業務導線の途中に「AIの呼び出し口」をつくる
DAPは顧客業務の中心に入り込むプロダクトです。その前提のもとでAIをどう活かすかを考えた結果が、「AI Hub」の構想です。
「テックタッチ」の機能として生成AIの呼び出し口を用意することで、既存システムを変えずに業務導線の途中でAIを使える。そんな世界観を目指しています。
ただ、やろうと思えば何でもできてしまう分、「何をやるか」の見極めが難しい。ホリゾンタルなプロダクトなので、使い方を誤ると「あってもなくても変わらない」状態にもなりかねません。
だからこそ、本当に困っているポイントに対し適切に使えるかが重要です。AIを活かす仕組み、すなわち文脈や知見を整えることで意図した性能を引き出すことをエンジニアリングしていくことで、これまで自動化できなかった業務も自動化することができるポテンシャルをAIは持っています。
人が担う判断や設計は残し、それ以外をテックタッチが担う。そのために顧客の声、自分たちの仮説、技術の方向性を掛け合わせてユースケースを組み立てていく。ここはエンジニアも深く関わるべき領域だと考えています。
── PdMがまとめるというより、エンジニアも価値づくりに関わるイメージなんですね。
そうですね。PdMには要求整理の役割がありますが、同時にエンジニアも「何をすべきか」を考えるところに関わる必要があると思っています。最終的には企業として価値を届ける責任があるので、そこにエンジニア目線で関わることは大事にしたいですね。
組織の良いところ|「いつでもごきげん」が土台にある、議論できる文化
── 組織の良いところ、強みや魅力について教えてください。
テックタッチ全体のバリューが効いていると感じています。中でも「いつでもごきげん」は特徴的ですね。根底には、チームで開発することを大切にする考え方があります。
ごきげんでないと話しかけづらいし、空気も硬くなる。もちろん真面目な議論はしますが、前提としてごきげんでいられることが効いている。疑問があれば話せるし、話しかければ返ってくる。ビジネス側とも相談しやすい空気感が自然にあると感じます。
── 反対に、課題点はいかがでしょうか。
エンタープライズに強いSaaSであることには、難しさもあります。一般的なSaaSは頻繁にリリースしながら改善しますが、エンタープライズ業務では安定性が最優先です。業務に深く入り込むほど変化には慎重になります。
そのためリリースは年4回、四半期ごとです。一度逃すと次は3ヶ月後になるため、負荷が特定時期に集中しやすい点は課題だと感じています。
改善の方向性|リリース責任を分け、アジリティを高める
そこで、機能群を分解し、四半期リリースを厳密に守る領域と、より小さく頻繁に出せる領域を切り分けています。少しずつ機会を増やしながら、アジリティを高めていく。
AIプロダクトは出して終わりではなく、使われた結果を見て改善を回すことが重要です。三ヶ月に一度だと遅い。だからこそ、DAPは四半期で品質を守る。一方でAI側は、より細かい改善サイクルを回せるようにする。品質へのコミットを前提に、データAI側は自分たちでリリースサイクルをコントロールできる体制を目指しています。
今後の目標|AI時代でも「DAPが価値を出し続ける」ことをプロダクトで証明する
── 今後の目標から伺ってもよろしいですか。
はい。自分はいまデータ領域を主に見ていて、まずそこが一番のテーマです。
テックタッチは2018年からDAPでやってきました。AIが当たり前の時代になった中で、「DAPはAI時代でも価値を出せる」「ユーザーに使われ続けるプロダクトだ」ということを、プロダクトとして証明していく。これが事業計画の中核です。
その延長で、DAPを「AIを使うためのプラットフォーム」として捉える見方も出てきます。AI Hubの文脈で、テックタッチの上でAIを使い業務効率化できる世界を実現する。そこをデータのプロダクトチームが担う、という構図です。
取り組むべきこと|AI機能の立ち上げと「AIプロダクトの安定運用」を両輪で整える
テックタッチにおける直近の命題は、AIを活用したプロダクトの垂直立ち上げです。
AIの本質は「コンテキスト(文脈)の最適化」にあります。私たちはOpenAIやAnthropicのAPI活用から、OSSモデルの採用、さらには特定ドメインへの独自チューニングまで、目的(ユースケース)に応じて最適な技術スタックを柔軟に選択・制御する知見を蓄積してきました 。
しかし、AI実装において真に難易度が高いのは「リリース後の品質担保」です。入力されるデータには季節性やトレンドによる変化(ドリフト)が避けられず、常に期待通りのパフォーマンスを維持できるかは、エンジニアリングにおける最重要論点となります 。
現在、私たちはデータAIディビジョンの発足と並行して、AIプロダクトの安定性を体系的にモニタリングし、継続的な精度向上を実現するための高度な運用フレームワークを設計しています 。単なる機能開発に留まらず、AIを社会実装するための「信頼性」そのものを仕組みとして構築しているフェーズです 。
「AI機能の開発」と「高度な自律運用の確立」。この両輪を回すことで、AIとDAPが相乗効果を生み、圧倒的に利便性の高い業務体験をプロダクトで示していきます 。
どんな人と働きたいか|価値を考え抜き、設計〜運用まで一気通貫で向き合える人
── どのような人と働きたいですか?
自分は技術が好きで、プログラムが積み重なってシステムになる世界に面白さを感じています。AIが出て「プログラマーはいらない」と言われることもありますが、ファジーで可能性の大きいものを扱うためのエンジニアリングは、当面なくならないと思っています。重要なのは、「何が価値を生むのか」を考え抜き、それを設計し、実装し、運用して価値として出し切ることです。テックタッチは自分たちでサービスを提供しているので、そこに一気通貫で向き合えます。
プロダクトとして必要なものを考えながら、周囲と認識を揃えて開発を前に進められる人と、ぜひ一緒に働きたいですね。
── 今、積極的に探されていらっしゃるんですか?
職種によりますが、現在は特に「AIアプリケーションエンジニア」の採用に最も注力しています。
これからのDAPは、単なるガイドではなく「AIを使いこなすためのプラットフォーム」へと進化させていきます。LLMの特性を深く理解し、それらをプロダクトの導線へ最適に組み込めるエンジニアが不可欠です。
AIはリリース後の運用・改善のサイクルが極めて重要になるため、そこまで見据えた開発を、組織の立ち上げメンバーとして主導していただきたいと考えています。



