福嶋 将氏|ALJ DXTech株式会社 CEO 兼 株式会社エーエルジェイ 執行役員CTO
岡山県出身。高等専門学校卒。2017年に株式会社ベネッセインフォシェルに入社。デジタル学習タブレットの開発に従事。2020年5月にALJ DX Tech株式会社設立しCTO就任。同時期にグループ本社のエーエルジェイ株式会社のICT事業本部のマネージャーに就任。現在は、ALJ DX Tech株式会社のCEO兼CTO、エーエルジェイ株式会社の執行役員CTOを兼任。
株式会社株エーエルジェイ / ALJ DXTech株式会社について
── 御社の事業内容を教えて下さい。
株式会社エーエルジェイの企業理念は『ICTをすべてのお客様に』です。現在、技術者派遣(SES)が6割、受託開発が4割の割合でDX支援を行っています。受託開発の場合、kintoneやSalesforceなどのパッケージを使用したソリューション開発を提案するチーム、ECパッケージを使用したECサイトの開発・運用・保守を担当するチーム、お客様の要望に応じてフルスクラッチで開発を行うチームの3つの柱があります。その他には、最近からクラウド型人材統合管理システム「Landle」や業務DX化支援パッケージ「SkiP」といった自社ソリューションの開発から販売も行っています。また、弊社の特徴は、私が代表を務めるALJ DX Tech株式会社を含め、グループ会社が5社あります。ALJグループ全体のビジネスモデルを活かし、人口減少や少子高齢化問題を見据えた価値共創のネットワーク構築と独自コミュニティの創出を実現しています。
福嶋さんのキャリア
── 当時はどんな子供(小学校〜高校)でしたか。
小学校の頃はサッカーに熱中していましたね。小学校全体の人数が100人程度の岡山県の田舎町でしたので、みんな知り合いのような環境でした。中学時代にパソコンを購入してもらい、ネット環境が自宅に整いました。ちょうどそのタイミングでブラッディマンデイにハマり、自分もハッカーになりたいと思うようになり、いろいろ調べているうちにプログラミングにも興味を持ち始めました。最初はC言語から始めましたね。C言語の本を購入し、その本の説明通りにサンプルコードを書いて動かしてみたり、そんなことをやっていました。そこから本格的に学びたいと感じ、これを勉強できるならめちゃくちゃ楽しいだろうなと思い、津山工業高等専門学校への進学を決めました。
── 津山工業高等専門学校を卒業〜一社目に入社するまでの経緯を教えてください。
就活の軸は明確でしたね。大手のシステム企業で、開発から運用保守まで一貫して経験を積むことができる会社を岡山県内で探していました。その結果、二社のエントリーを進め、どちらも内定をいただきました。そのうちの一社が株式会社ベネッセインフォシェル(2023年7月1日付で、株式会社ベネッセコーポレーションへの吸収合併)でした。ベネッセインフォシェルは、ベネッセグループの子会社で、ベネッセのシステム開発、運用、保守、インフラと一貫して対応している会社でしたので、ここに入社すれば全てを学ぶことができると確信し、入社を決意しました。
── 一社目の会社で最も印象的な出来事はありますか?
岡山県の本社配属後、1-2年目に東京に転勤しました。転勤先は、アジャイル開発専門部隊で、デジタル学習タブレット『チャレンジタッチ』の開発を担当していました。この部署では、毎月新しい機能をアジャイル開発で追加する必要があり、低コスト・スピード・品質のバランスが求められました。一人でアプリを担当することが基本であり、そのため責任も重かったですが、その経験を通じて成長できたと感じています。
── その後、ALJ、ALJ DXTech株式会社設立、CTO就任しておりますが、設立〜CTO就任までの経緯を教えて下さい。
知人の紹介でグループ会社のALJ Education Plusの代表である山本と出会ったことがきっかけです。元々、教育という観点で起業や独立も視野に入れていたので、IT教育事業を経営している山本に色々と教わりたいと思い、東京に転勤したタイミングをきっかけにご飯に誘い交流を持ち始めました。それから2ヶ月に一回のペースで会うようになりましたね。起業の話もしていたので、経営者が集まる交流会にも何度か連れて行ってもらいましたね。大体1年半ほど、このような状態が続いたある日、『次はエーエルジェイの代表を紹介するよ』とエーエルジェイの代表の釘嶋と出会いました。私のことは、山本から聞いていたみたいで初めてお会いした時にエーエルジェイの計画や子会社の説明をいただき、『新しく先端技術を専門にした会社を作ろうと思っているから一緒にやらないか』とお誘いいただきました。二つ返事で承諾しました。会社の基盤はこちらで用意するから事業内容などは好きに考えて良いと言っていただいたことも印象に残っています。実際に、最初は山本がCEOに就任し、私はCTOとして会社をスタートしました。約3年間で経営や経理を山本から直接教わり、その後CEOに就任しました。
ALJ DXTech株式会社・株式会社エーエルジェイ 入社後
── 入社後、どのようなことに取り組みましたか。
2020年5月にALJ DX Tech株式会社を設立し、CTOに就任しましたが、正直なところ、CTOとしての業務は何も行っていませんでした。私はただのエンジニアから一気にCTOに就任したため、何をすべきか全くわからない状況でした。そこで、情報収集を試み、CTO協会に加入し、勉強会や交流会などを通じて世の中のCTOの方々の考えや取り組みを学びました。その中で技術的な話よりも人材育成や採用の話題が多かったことに気づきました。また、組織作りに関するヒントもたくさん得られたのは非常に有益でした。
また、CTOに就任すると同時に、本社のマネージャーにも就任しました。実際の業務では、マネージャーとしての活動が中心でした。私がマネージャーとして参加した時点では、受託開発プロジェクトのメンバーも10名ほどでした。当時、マネジメントに特化したエンジニアが不足しており、人員拡大と案件増加がスムーズに進んでいませんでした。
しかし、COVID-19の影響でECパッケージを活用した受託事業の需要が増加し、案件が急増しました。そのタイミングで人員を増員し、人員拡大と案件増加が相互に促進されました。本来ならば、案件を確保しながら人員拡大と組織やチーム体制を整える必要がありますが、採用とチームビルディングに集中できたため、タイミングが良かったと思います。
── 現在の福嶋さんの業務内容を教えて下さい。
4年前から対応しているプロジェクトのPM業務が3-4割。CTO兼本部長としてプロジェクト管理、アサイン調整、パートナーエンジニアの調整などプロジェクト全体に対する業務が5-6割です。その他には、管理業務や2025年卒の新卒採用の面談が1-2割という割合です。
現在のエンジニア組織について
── 現時点のエンジニアの組織体制や人数を教えて下さい。
約40名の社内エンジニアに加えて、オフショア拠点に20名ほどの組織体制を有しています。基本的に、3-5人のユニットチームを構築し(リーダーを含む)、そのユニット内でプロジェクトを完結できるようにしています。また、プロジェクト全体を管理するリーダーや課長ポジションのエンジニア、そしてCTOである私が存在しています。このようにチームを小規模な単位に分割することで、コミュニケーションが円滑に行え、エンゲージメントも高まると考え、現在の組織体制を採用しています。
── 現在のエンジニア組織の良い点(特徴や魅力的なところ)と課題点(ここを改善すればもっと良くなるなど)がありますか。
コミュニケーションの活発な実践が特徴として挙げられます。日常的なコミュニケーションはもちろんですが、各ユニットごとに朝会を行うことで進捗管理も徹底しています。さらに、ユニット単位でプロジェクトを紐づけることで、どのチームもプロジェクトに対する責任感が高いです。たとえば、エラーや不具合が発生した際には迅速に対応しています。一方で、ユニット単位のチーム編成のため、各ユニット間での情報共有が不足していることが課題として挙げられます。この課題に対処するために、定期的にメンバーを入れ替えたり、社内ツールで質問チャンネルを設けたりして、いつでも質問を受け付けられるようにしています。また、週に1回のグループ会を行い、各ユニット間での情報共有を促進し、改善を進めています。
今後の目標
短期的な目標としては、クラウド型人材統合管理システム「Landle」の認知を拡大することを目指しています。そして、中長期的な目標としては、テックカンパニーとして自社ソリューションを活用して売上を拡大することを目標としています。
── グロースウェル社のEQ診断でいうとどのコンピテンシーに当てはまる方と一緒に働きたいですか?もしくは今の開発組織に必要なタイプはどれにあたりますでしょうか?(図の中からお選びください)
現在、最も必要としているのは「2:ビジョナリー」です。私たちのグループ会社は複数あり、チームや会社全体でシナジーを生み出すことを目指しています。そのため、新しい発想や斬新なアイデアを持ち、積極的に取り組む人が必要です。また、「5:ストラテジスト」も重要です。現在の組織では、「1:サイエンティスト」や「3インベンター」、「4:ガーディアン」が多い傾向にあるため、その中で組織を管理し、戦略的な方向性を示してくれるリーダーが求められています。
── 最後にどのような人と一緒に働きたいか教えてください。
そうですね。私は個人的に向上心がある人が好きなので、技術の勉強意欲が高い方やニュースなどを見て情勢の情報収集をしている向上心がある人と一緒に働きたいです。